2011年04月18日

福島県農家さん訪問レポート

<福島県農家さん訪問レポート>  文責:大河原有佳
福島と東京の若者によって企画された
4月16日(土)東京晴海の福島県産野菜ランチイベント「だべっ会」。
私は今回、イベントで使うお野菜探しのお手伝いで、関わらせていただきました。

そこで農家さんから伺ってきたことを、こちらに書かせていただきます。


●郡山市 無農薬野菜(施設内栽培)
郡山市で家族で無農薬野菜を作っている農家さん。
スーパーで売っていない、変わった野菜やイタリア野菜、ハーブなどを作っています。
葉菜類を中心に栽培されているので、作っていた野菜のほとんどが出荷規制対象になってしまったそうです。
何か出せるものはありませんか、ときいたら、アップルミントがあり、今回のランチイベントでは、デザートのお皿を、彩っていただきました。

今回のイベントで紹介したい、とお話したら、農園や、震災後の様子などをまとめて、パンフレットを作成してくださいました。
生の農家さんの声です。イベントで配布させていただいたので、ぜひご覧ください。
パンフレットがほしいという方は、農家さんに確認しますので、当方までご連絡ください。

・震災後の状況
電気が復旧した震災の3日目以降、野菜の出荷を直売所にて開始。
原発の状況が悪くなり、作っている野菜のほとんどが出荷停止になった。
出荷制限や摂取制限を気にせずに食べてくれる方たちに、レタスなど、無料で配ったりしていたそうです。

・作付け制限が解除されて
放射性物質の土壌汚染および営農に関する検査結果と国の方針が出るまで、農作業を延期するよう、福島県のほうから農家さんに技術面の指示が出ていました。
<こちらのページを参照ください>
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/seiikugijyutsujyouhou.html

作業延期が解除された後、この農家さんに電話をしたところ、さっそく、出荷制限、摂取制限のかかっていないものから種まきや作付けを始められていました。
震災前に種まきをしたキャベツは、出荷停止になっていて、このままだと植え付けは無理なのかもしれず、自家用で作って食べようか、と家族で話しているそうです。


●須賀川市 いちご農園(施設内栽培)
福島県須賀川市のいちご「甘園房(あまえんぼう)」。
「そのままが一番」とのこと、イベントのデザートで、生のまま出させていただいたイチゴです。
(農園の連絡先といちごについては、イベントで配布したパンフレットをご参照ください。
パンフレットがほしいという方は、農園に確認しますので、当方までご連絡ください)

・つないでくれた方
このいちご農園さんは、同じ須賀川のトマト農家さんが紹介してくださいました。
直売所つながりだそうで、あそこなら間違いないから、と教えてくださいました。
とても甘いいちごで、糖度が高すぎるから日持ちしないので、東京に持っていくなら前日購入よ、と言われ、連れて行ってもらいました。
いちごハウスは広大なハウスがそこかしこにあり、須賀川で、おそらく一番大きないちご農園さんだろうとのこと。

・県内の消費
今は福島県での地域消費が主で、こちらはわりと戻ってきたということ。
地域内の出荷先は、直売所など。
地域消費が戻ってきて、現在は例年の6,7割くらいになってきたそうです。

・県外の消費
県外からの注文は、震災後、だいぶ落ち込んでいるそうです。
震災前は、1ヶ月平均約400件あった注文が、震災後には、50〜60件になったとのこと。

・震災後の農園の動き
お彼岸に向けて出荷どき。いよいよ、というタイミングで震災が起きた。
震災後1週間ほどで農園を再開。地震でいちごが傷つき出荷できない。
ガソリンがなかったり、電車が動かなかったりで、従業員さんの送迎もしつつ、営業。
避難所にいちごを配ったりもした。
現在でもたまに、お客さんのほうからの注文で、避難所や被災地向けに、いちごを届けたいという問い合わせもあるとのことでした。


●南相馬市原町区 トマト、ねぎ農園(施設内、水耕栽培)
第一原発から20〜30キロ圏に位置する南相馬市原町区にある、施設内で水耕栽培をしている農園です。
4月15日(金)に農園をうかがい、生食用のトマトを購入させていただきました。
万能ねぎについては、震災の影響で1ヶ月休業し、規格外の大きさになったから、とのことで、無償提供してくださいました。

・南相馬市の状況
南相馬から避難していた人も、しだいに戻ってきているとのこと。現時点では、スーパーなどのお店が動いていないので、買い物しに南相馬市鹿島区や、相馬市のほうに出ているが、だんだんと日常に戻っていくのでは、とのこと。
屋内退避圏ということで、入ってこない運送業者さんもあり、野菜の出荷を再開したが、相馬市を中継して送っているとのこと(郡山市に届くのに、中一日かかる)。

・南相馬市原町区の農業
屋内退避の指示が出ている地域になるので、出荷規制がどうなっているのか、福島県の農林水産部に4月14日電話で確認したところ、農作物の出荷規制については県内のほかの地域ととくに区別していない、ということでした。
同じ南相馬市でも、山側は計画的避難区域に移行しましたが、こちらの農園は海側に位置しています。

・放射性物質を、農園で測定
放射性ヨウ素、セシウムを、民間で検査測定しているところに、農園独自に依頼して測定。
水耕栽培で使っている、地下水(地下200メートル)と、トマト、ねぎが、基準値を下回る、という結果が出て、その書面をもって、お客さんとの取引を開始。
安全性を証明する書類がないと、取引できなかったとのこと。

・震災後の農園の状況
震災の影響で、1ヶ月間休業。再開してからの農園は、20〜30パーセントほどの稼動。
従業員さんが、避難等で半数になっているため、人手不足で困っている。今回対応してくださった方も、自宅が20キロ圏内の避難区域にあるため、仙台から通勤している、とのことでした。
農園の従業員さんにお給料が出せない状況。稼動状況が戻ってきたら、後々支払われるように、タイムカードはつけてもらっているそうです。
避難所生活をしている方たちが、気落ちしているので、身体を動かしたり、会話をしたりする場になるから農園に来たら、と声をかけ、作業に加わってもらっている。
ボランティアだけれど、トマトを分けたりしている。

・取引状況について
福島県内市場は、取引を再会してくれるところが多いが、県外は、なかなか理解を得にくいような状況。
福島県内と県外では、反応がだいぶ違うとのことでした。


<農家さん訪問をうけて、個人的におもうこと>

私も、小さな畑を仲間とやっていますが、いまだに、土をさわるのに抵抗を覚えています。

土をさわれない、というのは、感覚的なものなのですが、
ただ、仲間と農業に関して情報交換していて私の知る限り、
安全だと言い切れる、もしくは危険だと言い切れるような
判断基準がなかなか出ないのが現状、と認識しています。

農家さんは、風評被害だけでなく、汚染の実害を受けています。

原発の事故での放射性物質による汚染については、
風評被害と、実害による被害が、ごっちゃになって語られたり、考えられたりしがちのように感じています。

まず現場を知り、実害を明確化することが、根っこからの解決につながるように思っています。

出来る範囲は限られていますが、これからも農家さんの声を聴き、対話の中から解決策を考え、
行動していきたいと思っています。
posted by かわら at 15:25| Comment(2) | 踊る百姓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、メイドインふくしま、という主に農産物の販売応援をしている栗本と申します。

今回の震災をきっかけに何かできないかと思い、友人と今動いています。ただ、まだスタートしたばかりなので農家さんとのつながりも少なく、ネットで検索しましたら、大河原さんのブログを発見しました。もしよろしければ一度お会いしたり、連絡を取らせて頂ければと思っております。

突然でビックリされたかもしれませんが、ご連絡頂ければ非常に嬉しいです。

よろしくお願い致します。
Posted by 栗本 泰佑 at 2011年04月30日 17:44
こんにちは。いつも大変お世話になっております「空ちゃんのやさい」です。東京のイベントの報告書を送っていただきましてありがとうございました。メッセージカードも、大感激!!です。ありがとうございます。
 ゴールデンウィーク前から祖母が急に入院したりできちんとお電話でもお礼を言うことができず、すみませんでした。電話でお話しした時も、会話になってなくってしみませんでした。畑→病院の行ったり来たりの生活になってしまいました。96歳と高齢なので、しかたがないのですが、今までしっかり自分のことをできていた人だったので、昨夜から、病院で徘徊するようになったと聞いて、ショックを受けています。(しょうがないですね)
ホームページを拝見させてもらいたいなあ・・・思っていたのですが、うちにはインターネットというものがつながっていないんです。すみません、ネットカフェのパソコンでやっと今日見ることができました。お礼をいうのが遅くなってしまいました。すごく丁寧に「空ちゃんのやさい」を紹介してくださって本当にありがとうございます。うちの家族もとても喜んでいました。母は、「手をさしのべてくれることは、とてもありがたい」と言っていました。風評被害やら出荷停止などで落ち込むことはありますが、とにかく前進するだけですね。キャベツもどうにか出荷できるようになりそうなので、がんばって育てたいと思います。カボチャも色々な種類を植えました。今週末くらいにはズッキーニを植えます。野菜が沢山収穫できるようになるまで、頑張りたいと思います。今年は、ひまわりも何種類か植えて楽しみます。いろいろな話を提供していただき、本当にありがとうございました。また、何か、うちのほうでも協力できることがありましたら、言ってください。
Posted by 空ちゃんのやさい at 2011年05月12日 11:42
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